診察室便り

滲出性中耳炎の治療には、保存的治療と外科的治療があります。

当院では保存的治療が中心です。

数ヶ月治療しても改善しなかったり、頻回に繰り返すなど外科的治療が必要と思われる場合には、ご希望をお聞きした上で、大学病院や国立生育センターなどをご紹介しています。

保存的治療

① 鼻の治療

鼻に薬をスプレーしたり、鼻の奥にたまっている鼻水などを吸引して取り除いたりします。
また、院内で薬を吸入していただくこともあります（ネブライザー療法）。

② 耳管通気

鼻から細い管を入れて、耳管に空気を通す治療です。

小さなお子様の場合は、小児用の通気器具を使います（痛くないです）。

③ 薬の服用

状態に応じて必要な薬を服用していただくこともあります。

外科的治療

① 鼓膜切開

鼓膜に小さな穴を開けて、中耳内にたまった貯留液を排出する治療です。

詳しくはこちらへ ⇒ 鼓膜切開について

② 鼓室チューブ置換術 （当院では行っていません。大学病院等をご紹介します）

鼓膜に穴を開けて換気用のチューブを留置する治療です。

小さなお子様の場合は、全身麻酔で行うことが多いと思います。

本来、中耳は耳管を通じて鼻から換気しているのですが、鼓膜に換気チューブをつけて耳からも換気できるようにするためのものです。

③ アデノイド摘出術 （当院では行っていません。大学病院等をご紹介します）

アデノイド肥大が滲出性中耳炎の原因と思われるときは、アデノイド摘出術が行われることがあります。全身麻酔での手術です。