診察室便り

「鼻洗い」について質問をいただくことがあります。
鼻洗い（鼻うがい）が上手い方は鼻がスッキリするからと、１日に何回も行っているみたいですね。

特に花粉症の時期は、花粉を洗い流すという意味では良い面もあります。
ただ、気をつけていただきたい点がいくつかありますので、注意しながら行ってください。

１．１日に何度も鼻を洗わない

鼻の粘膜は粘液で覆われています。
この粘液は鼻の粘膜の機能を維持する上で、とても大切なものです。
鼻を洗いすぎると、この大切な粘液まで洗い流されてしまいます。
粘液が少なくなると、鼻の中が乾燥したり、細菌などに対する抵抗力が低下してしまいます。

鼻洗いは、１日に１回程度にしましょう。
爽快感を求めて、１日に何度も鼻を洗うのはやめましょう。

２．冷たい水道水を使うのはやめましょう

鼻洗いに使用する水は、体温・体液に近いものの方が刺激が少なくすみます。
体温程度に温めた生理的食塩水を使用するのがいいと思います。
生理的食塩水は、薬局・薬店で販売していると思います。
入手困難な場合は、体温程度のぬるま湯に、１つまみの食塩を混ぜて使うのがいいでしょう。

３．風邪をひいている時は、鼻洗いをしない

細菌などを鼻より奥（耳管を通じて中耳）に送り込んでしまう可能性があります。
中耳炎の原因になる場合もありますので、風邪のときは鼻洗いはやめましょう。